ビタミンDは免疫力を調整するドライバー

カルシウムの吸収を促進し、強い骨を作る栄養素として知られるビタミンD。実は、健康的な免疫システムにとって重要な栄養素で、全身の細胞内に存在しています。近年、ビタミンDが免疫に作用するという研究結果が相次いで報告され、注目を浴びるようになりました。ビタミンDは、体内に侵入したウイルスなどの異物を排除しようとする免疫機能を必要な分だけ働かせて、過剰な免疫反応を抑制すると考えられています。ドライバーがネジを締めたり緩めたりするように、ビタミンDは免疫力を調整するのです。

数々の研究で明らかに！ビタミンDの感染予防効果

2017年に発表された研究では、ビタミンDがインフルエンザのような急性呼吸器感染症のリスクを軽減することが確認されました。特にビタミンDが欠乏している患者の場合、ビタミンDの補給で重症化を防ぐことが明らかになっています。

また体内でビタミンDの血中濃度を上げることが、様々な感染症予防につながる可能性を示唆する研究も発表されています。これらの研究では、ビタミンDと新型コロナウイルス重症化の関係が指摘されており、重篤な患者にビタミンD血中濃度が低い人が多いことがわかっています。

ビタミンDの血中濃度は、日本ではあまり意識されていませんが、オーストラリアなどでは自分のビタミンDレベルを知るために毎年検査をするほど、メジャーな数値です。感染症対策の観点から、今後は日本でもビタミンD値への意識が高まることでしょう。

日光浴だけでは、ビタミンD生成は不十分の可能性あり

ビタミンDは日光浴で生成されることで有名です。紫外線B（UVB）からのエネルギーを受けて、皮膚の中でコレステロールから作られます。この特徴から、「サンシャインビタミン」とも呼ばれています。肌ダメージをイメージして悪者にされがちな紫外線ですが、ビタミンD生成のためには大切なのです。

ただ、生活環境によっては、十分な日光が得られない場合もあります。また、一年を通して日焼け止めを使用する女性は多いため、女性は男性よりもビタミンD不足になりやすい可能性があります。

ビタミンDを含む食品とオリーブオイルを一緒に摂ることで、吸収率が大幅アップ！

秋冬に向けてだんだんと紫外線量は少なくなるので、日光浴による生成で足りない分は、ビタミンDを含む食品を積極的に摂って補うようにしましょう。

サーモン、サバ、マグロ、イワシ、シラス、卵黄、キノコといった日本の食事に取り入れやすい食品にも、ビタミンDは豊富に含まれています。ビタミンDはビタミンCと異なり、熱に比較的強いので、調理の幅も広がりますね。より手軽に食べられる缶詰も、素晴らしい栄養源といえます。

また、同じ食材でもビタミンDの含有量は天然やオーガニックで育てられたかどうかで異なります。天然のサーモンは養殖物よりもビタミンDを多く含んでいますし、放し飼いで育てられたオーガニックの卵の方が、通常の卵よりも4～6倍のビタミンDを含んでいるといわれており、おすすめです。

ビタミンDを効率よく摂るなら、オリーブオイルと一緒に摂るのがおすすめです。ビタミンDは脂溶性なので、オイルとともに食べると吸収率が大幅にアップします。オリーブオイルは、オメガ9やビタミンE、ポリフェノールをたくさん含んでいて、抗炎症・抗酸化効果もあるビューティーオイル。上手に使うことで美肌にもつながります。特にエクストラバージンオリーブオイルは、より多くの抗酸化成分を含有しているので、ぜひ活用してみてください。

いつもの食事にオリーブオイルをかけるだけで、効果倍増に

特別な食品を選んだり、凝った調理をしなくても、いつもの食事でビタミンDを手軽に摂ることができます。しかも、そこにオリーブオイルをプラスするだけで、吸収率も上がります。簡単でおいしい免疫サポートを、毎日続けていきましょう。

＜ビタミンDを効率良く摂れる食事例＞