オピニオンコラムcolumn
2019.02.27
冬の朝に多い血管事故対策には
エクストラバージンオリーブオイル!
寒さも、トイレでのいきみも緩和して、血圧上昇を抑制
冬は血圧モーニングサージで血管事故の死亡者が増加
脳出血・脳梗塞・心筋梗塞といった血管事故は、冷え込みが厳しい冬にピークを迎えます。その理由の1つが、気温の低さです。寒さが刺激になって、血管はキュッと縮み、血管内が狭くなります。特に朝は危険がいっぱいで、日中は正常なのに、朝だけ血圧が急激に高くなる人も少なくありません。そもそも血圧には日内変動があり、睡眠中は下がって目覚める頃には上がるものですが、特に寒い朝には一過性の急上昇が起こりやすいのです。朝の血圧の急上昇をモーニングサージといい、脳心血管系の疾患のリスクを高めることがわかっています。モーニングサージをきっかけとして発症する血管事故は、当然朝起きてからの数時間に多く、魔の時間帯とも呼ばれています。薄着のまま寒い廊下を歩いてトイレに入ったり、ゴミを出しに行ったりなど、温かい場所から急に寒い場所に移動すると、血管が縮まりモーニングサージがより大きくなってしまいます。
実年齢より28歳若い血管年齢を維持!
その秘密は「エクストラバージンオリーブオイル入りのホットマトジュース」
寒い季節の血管事故を防ぐには、身体を冷やさないことが大切。温かい飲み物を飲むと、寒くて縮みがちな血管がしなやかに開きます。そこで、自信をもってオススメするのが「エクストラバージンオリーブオイル入りのホットマトジュース」です。オリーブオイルのオレイン酸はHDL(善玉)コレステロールを低下させずに、LDL(悪玉)コレステロールを下げる効果がありますし、30種類以上も発見されているポリフェノールは抗酸化に働いて、動脈硬化につながる体内の炎症を抑えます。また、トマトはリコピンの抗酸化作用とGABAのストレス緩和作用で血圧上昇の抑制に役立ちます。しかも、脂溶性のリコピンは、オリーブオイルと一緒に摂ることで吸収率がUPして、成分を余すことなく摂ることができるのです。オリーブオイルとトマトは血管をいたわる最強ペアといえるでしょう。温かい飲み物にオリーブオイルを入れると、表面に膜ができて冷めにくくなるというのも嬉しいポイントです。自分でも20年前から愛飲していて、血管年齢は現在28歳。実際の年齢マイナス28歳を保っています。
トイレでのいきみにもご用心!便通改善で、血圧の急上昇を回避
冬場の朝の盲点となるのが、「トイレでのいきみ」です。冬の朝、冷えたトイレでズボンを下ろし、さらにいきんだりすれば、血圧は急上昇します。日ごろから便通を良くしておきましょう。腸内環境改善のためにも、「エクストラバージンオリーブオイル入りのホットマトジュース」は有効です。オリーブオイルのオレイン酸は腸の蠕動運動を促し、便を柔らかくして便通改善につながりますし、トマトジュースには食物繊維が含まれています。トマトジュースは温めると少し酸っぱくなるので、マイルドな味が好みなら甘酒やレモン果汁と合わせるといいでしょう。名付けて「ホットマト甘酒」です。まろやかになって旨味が増すだけでなく、発酵食品である甘酒の麹が腸内環境を改善して、効果がより高まります。
ポリフェノールが特に豊富なのがエクストラバージンオリーブオイル
オリーブオイルを使うなら、エクストラバージンオリーブオイルを選びましょう。オリーブの果実を丸ごとしぼっただけのバージンオリーブオイルの中でも、とりわけ高品質なのがエクストラバージンオリーブオイルです。抗酸化物質であるポリフェノール類が除去されることなく、通常のオリーブオイルよりも豊富に溶け込んでいます。
「エクストラバージンオリーブオイル入りの
ホットマトジュース」
作り方
- トマトジュースにエクストラバージンオリーブオイルをひと回しかけて、温める。(500Wで1分30秒)
- ①に粉チーズなどを適量混ぜる。※お好みでパセルを添える
ワンポイント
朝はタンパク質が不足気味なので、蒸し豆などタンパク質を入れてスープにするのもオススメ。大豆タンパクには悪玉コレステロールを減らす働きもあります。
応用編:「ホットマト甘酒」
作り方
- 甘酒1に対して、トマトジュース2の割合で入れ、レンジで温める。(500Wで1分30秒)
- ①にレモン汁とエクストラバージンオリーブオイルを適量混ぜる。
ワンポイント
マイルドな味が好みなら、「ホットマト甘酒」を。
-
池谷 敏郎 先生医療法人社団 池谷医院 院長/
東京医科大学客員講師総合内科専門医、循環器専門医。1988年、東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。 1997年、池谷医院理事長兼院長に就任。心臓、血管、血液のエキスパート。著書に、「血管がぐんぐん若返る!! 豆乳オリーブオイル」など多数。